伝説のお笑い番組『ザ・ドリフターズの8時だョ!全員集合』の特別番組を観て、その衝撃的な展開に大笑いしてしまった。
今回は頭に「不適切だけど笑っちゃう」というサブタイトルが付いているだけあって、
たしかに不適切極まりない。でも笑ってしまった。
一番たまげたのがパトカーが屋根の上を走り、さらに、隣の屋根に飛び移るという荒業。生番組の一発勝負で、よくこんな芸当ができたものだと感心する。
また動物園でしか見たこともないような動物が生出演していたのも驚きである。たとえばゾウやトラ、ゴリラやペンギン、ペリカンなど……。一つ間違えたら大惨事になっていたことだろう。テレビの全盛期には何でもありだったのか。
アクシデントも再々で、志村けんだけが外へ転がり出るはずのコントで、建物ごと倒れ、志村は建物の下敷きになった。しばらくして志村は這い出してきて「痛ってえ」と言っただけだったが、大丈夫なはずがない。まさに体を張った演技だった。
会場へ人を入れての生放送だったから、観客のリアクションも番組の名物だった。志村の後ろに敵が近づいていれば、「シムラ、うしろ!」と子ども達の大合唱が起きる。そこへまた志村がリアクションをするという一体感も魅力だった。そのおかしさに涙を流して笑うお父さんの姿も映し出されており、大人から子どもまで夢中になった番組であったことが判る。
今は家庭内でも個室の時代になり、さらに家族でテレビを観ることも少なくなり、家族団らんという言葉さえ消えつつある。そういう時代背景を考えると、なんとも言えず懐かしく得がたい番組であったことに気づく。最高視聴率は50%を超えたというオバケ番組だったことも納得がいく。
「カラスなぜ鳴くのカラスの勝手でしょ」
「最初はグー、ジャンケンポン」
などという言葉が番組で生まれ、今も使われていることに驚いてしまう。
破格に掛かったであろう制作費や人命への配慮、あるいは災害被災者への気遣いなどを考えれば二度と出来ないと思われる番組ではある。昨今の社会情勢を思えば、バカ笑いしている場合ではないのかも知れないが、ひととき、古き良き昭和を思い出し、懐かしんでしまった。思い出を共有して貰えればちょっと嬉しい。不謹慎極まりないかも知れないが。